母親が原因?!なぜ母親は境界性パーソナリティ障害の原因と言われることが多いのか。

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の原因のひとつとして「母親との関係」や「母親から子への接し方」と言われることが多いのですが、これを知った境界性パーソナリティ障害のお子さんを持つ母親は、きっと悲しい思いをされていることかとお察しします。

というわけで、「母親が原因」と言われている理由と今後のお母さんの思考の在り方についてお話していきます。

 

 

無意識な過保護や過干渉

必要以上に子供の心配をすることや干渉することは、教育においてあまり良いこととは言えません。

その根本的な理由(本質)は子供の成長と将来にあります。

子供は大きくなっていくに連れていろいろなことを覚えていきます。

その子供に対して物事の良し悪しを教えていくことはとても大切なことではあるのですが、すべてを強要してしまった場合には「考える力」が圧倒的に弱くなります。

 

例えば、「物を盗んではいけない」というのは誰もが分かっていることですが、親が子供に対して「なぜ」の理由を教えずに、ただ「物を盗んではいけない」と強制した場合は、子供は親に怒られるから物を盗んではいけないんだと認識するようになります。

ですが、物を盗んではいけないの本当に理由は「親に怒られるから」ではありません。

出来れば等価交換の話から理論的に話し、働いている人の気持ち、会社の気持ちまで話すのがベターです。

これはとても分かりやすい例なのですが、過保護・過干渉な親はこのようなことをしがちなのです。

 

そして、男性と女性の脳のつくりの問題なのですが、男性は理性派が多いのに対し、女性は感情派が多いです。

ですからどうしても女性のほうが「ダメなものはダメ」などの明確ではない理由を伝えてしまうことが多くなるため、過干渉・過保護になってしまうのは母親である可能性が高くなります。

※もちろん両親共に過干渉・過保護の場合はあります。

 

また、お父さんとお母さんで比較をすると、実際にお腹を痛めて産んだのは自分自身であることから、子供を想う気持ちは母親のほうが強くなる傾向があります。

そして接する時間が父親よりも多かったり、素直に甘えられるのは母親のほうだったりと、両親の役割の違いもあります。

 

子供が小さい頃は過保護でも過干渉でもあまり問題になることはありません。

しかし、子供が小学生に上がり自分の意思を強く持ち始める頃に衝突する機会が増えた経験はありませんか?

お母さんが気付いていなくても、境界性パーソナリティ障害の人からすると「衝突が増えた」と感じていることがあります。

子供に関することをすべて母親の独断で決めたり、子供の意思を否定して自分の意思を貫き通したり、過保護・過干渉の親によくありがちな行為をして、子供の心を無意識に傷つけてしまうこともしばしば。

親(とくに母親)からしたら、「子供が心配だから」「子供よりも自分は経験が多いから、自分が正しい」という気持ちがあるのですが、それはとても傲慢な考え方です。

「子供が心配だから」を当てはめてしまうと、子供は一切外出できなくなってしまいますし、友達付き合いで悩むことも、恋愛で悩むことも、社会で悩むことも回避しなければいけなくなってしまいます。

 

もちろんこれは極論ですが、「リスクは排除するだけがすべてじゃない」ということです。

必要があればルールを設けること、なぜそのルールを設ける必要があるのかを感情的に伝えるのではなく、理性的に子供がしっかり理解できるまで説明することも親の義務なのです。

この義務を怠っている親は、学校に対して「箸の持ち方を教えろ」といったムチャクチャなことを要求するようになります。

責任転嫁といって、自分の責任を他人に押し付ける行為をしてしまうことにもなりかねません。

 

過保護や過干渉は本当に子供のため?

知識とカウンセリングの経験からの個人的な意見になりますが、過保護・過干渉の親の特徴は「子供のため」という建前がありながら、本心では「自分自身の心を安心させたい」と思っていることがよくあるということです。

人間ですから、当然こういう気持ちがあるのはわかります。

できることなら心配するような状況にはなりたくないですし、夜ぐっすり眠りたいですし、万が一のことが起きてしまわないようにリスク回避したいですし。

ですが、これでは子供は親に対して不信感を抱くようになり、その不信感が反発心を生みます。

しかしその反発心に対して親はさらに不安を抱き、またなにかを制限したり明確な理由が言えないルールを設けたりします。

そして子供の心がまた荒れてどんどんルールがガチガチになってしまう、という負のスパイラルが起こります。

 

境界性パーソナリティ障害の場合、この負のスパイラルも発症や症状悪化の原因になり得ると考えています。

とても難しい判断や捉え方ではあるのですが、自分自身の気持ちと子供の気持ちをバランス良く考慮し、最善の答えを常に出せるように準備しておくことが大切です。

この準備に役立つことは「コミュニケーション」です。

先入観や偏った見方で物事を判断せずに、子供の気持ちを知ったり自分の気持ちを話したりすることで、お互いの価値観を共有することができます。

ここですぐに答えがでなくても、繰り返していくことに意味があります。

 

母親としての今後の思考

子供が境界性パーソナリティ障害を患ってしまった場合、起こってしまった出来事に対してあれこれ悩んでもなにも解決しません。

こういうときこそ理性的に、今後どうしていくかを順序立てて考えていく必要があります。

これは両親どちらにも言えることですが、「自分は関係ない」と投げ出すのは違います。しかし、「自分のせいだ」と深く落ち込みすぎるのも違います。

「自分たち(もしくは自分)の責任で子供がこうなってしまったが、これから自分にできることを必死に行なっていきたい」

母親、もしくは両親がこう思えるのが、子供が改善しやすい状況です。

 

境界性パーソナリティ障害の場合、症状が著しく悪いときには一時的に入院することもありますし、定期的な診察代や薬代など、それなりのお金がかかります。

短い期間で症状が落ち着いてくれれば良いのですが、境界性パーソナリティ障害は愛着障害、ADHD、うつ病などの合併症もある可能性が高いことから、診察代や薬代、継続したカウンセリング費用などはかかってしまうかもしれません。

自分たちの責任として、子供の改善にとって必要であればお金を惜しまない家庭であれば良いのですが、皆が皆そうであるとは限りません。

インターネットにもよく出ていますが、親を憎んでいる子供は残念ながら大抵はこういう家庭です。

子供は「親のせい」だと思っている、親は「自分たちにも責任はあると思うけど、費用面で苦しい」と考えている場合は、かなり長い期間境界性パーソナリティ障害を患っている傾向にあります。

 

お金のことは各家庭異なりますのでここに関しては個人差がありますが、「(お金に限らず)惜しみなく協力する」という思考をまずは持ち、子供と今後について(治療なども含む)じっくり話し合う時間を設けてください。

「子供が自分の話なんて聞いてくれない」と嘆く家庭もあると思うのですが、それはこれまでのトラウマ(PTSD)が原因です。

子供の気持ちを考え、子供の理想を聞き出す姿勢を見せれば、子供はしっかり自分の思いを伝えてくれます。

 

お母さんも苦しいと思いますが、お子さんも苦しいです。

どちらもすごく苦しいですし、どちらも今後を不安視しています。

たとえ今現在仲が良くなかったとしても、すぐに喧嘩になってしまったとしてもそれは病気による症状が原因として考え、お子さん本人のことを避ける気持ち、苛立つ気持ちはグッと堪えてください。

親子はいつまでも親子です。

近い将来、笑いのある安心した関係になることを信じて、できることすべてを行なってみてください。

無条件の愛で、本心からお子さんのことを想う気持ちがあればそれは必ずお子さんへ伝わります。そういうものです。

お母さんが諦めてはダメです。家族・親族全員で協力しあって、境界性パーソナリティ障害を克服していきましょう。

 

 

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関根 浩平

関根 浩平

生まれつきのエンパスとHSPの2つの気質を活かし、徹底した読み解き力で戦略を組み立てる恋愛・結婚・マインドコンサルタント。1対1でガッツリ語り合うセッションとコンテンツ発信に力を入れ、2014年から総勢1021人以上の方々を問題解決へと導く。リピート(継続)率は91%。 得意な技法は、エンパス、心理学、人相学、脳科学。妻と0歳の息子(通称:ぷんた)、猫3匹、犬1匹の微妙に大家族。強みを活かして企業やフリーランスの方々のホームページ制作もしてますが、WEBデザイナーではないのです。

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関根 浩平

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生まれつきのエンパスとHSPの2つの気質を活かし、徹底した読み解き力で戦略を組み立てる恋愛・結婚・マインドコンサルタント。リピート(継続)率は91%。 得意な技法は、エンパス、心理学、人相学、脳科学。妻と0歳の息子(通称:ぷんた)、猫3匹、犬1匹の微妙に大家族。

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