こんにちは、HSP&エンパス歴32年目、マインドコンサルタントの関根(@cekineco)です。
起業や副業に興味がある人は、危機感や意欲が多かれ少なかれあるのかと思います。
とはいえ、起業や副業を考えないからといって危機感や意欲が無いとも思いません。
危機感や意欲が全くない人、もっと言うと、危機感や意欲はあるのに「何もしない」を選択している人に対しては、「え、大丈夫??」とは正直思いますが、「危機感や意欲=起業・副業」というわけではないんですね。
ただ、「とにかくサラリーマンを辞めて今すぐ起業しよう!」みたいな謳い文句を並べる人は僕はあまり好きじゃなくて、相手のことを考えずに無責任なことを言ってお金儲けしたいだけなんだろうなぁと感じます。
ものすごい短絡的じゃないですか。
●今の生き方嫌なんでしょ?
●サラリーマンで労力削られるの嫌でしょ?
●起業したら好きなことできるよ?
●自由に生きて好きなときに旅行もいけるよ?
さぁ、会社辞めて起業しよう!!!
いやいや、動物的で良いのかもしれないですが、その前に考えなければいけないことがあるので、このような方々には一瞬冷静になっていただきたいなぁと思うんですね。
誰かがそう言ったから?それとも自分で本当にそう思った?
考えるべきことは、
●誰かがそう言ったからなのか
●自分で本当にそう思ったからなのか
ここをめちゃくちゃ深く考えていただきたいなぁと。
スピリチュアルに依存しまくる人や、なんちゃって自己啓発のような信者ビジネスにハマる人は、「依存」をしてしまって、自分の頭では考えずに、「この人がこう言ってるからそうなんだ」と考えがちです。
たとえ、もし「正解」という概念があって、誰かが言っていることが本当にそのとおりだったとしても、手放しで「そのとおりだ!」と思うのと、自分の頭でも考えた結果「たしかにそのとおりだ」と思うのとでは大きな違いがあります。
以前から何度かブログでも書いていますが、「スピリチュアル依存に陥った人」や「なんちゃって自己啓発にハマった人」や「起業系で詐欺的な被害に遭った人」が僕のところに相談に来てくださることがあるんですね。
状況は皆さん異なりますが、気づかないうちに100万円以上を支払い続けていた事例もありますし、知らぬ間にローンを組まされていて借金を抱えてしまった事例もあります。
守秘義務があるので個別具体的なことは言えないのですが、ざっくりと言うと「誘惑に負けた」「洗脳されていた」というのがことの原因になっているわけですね。
コピーライティングやセールスライティングや購買心理の勉強をしたことがある方は知っていると思いますが、人が物を買うときの工程は、「欲しい」という気持ちが先、そのあとで「理由」を自分の中で作っていくという流れです。
例えば、新しいスマホが出て「これ欲しい!」と直感的に思ったとします。
常に冷静な判断ができる人は「本当に必要か?」「いらないんじゃないか?」と考えて自重することもあるのですが、欲しいと思ったら欲しい!という人は、買ったあとにアレコレと理由を考えます。
●キレイな写真撮りたかった
●もうだいぶ傷ついてきちゃった
●自分へのご褒美
●明日からの自分に投資
こんな感じです。
自分が「無駄な買い物をしてしまったと思いたくない心理」がはたらき、このように理由を正当化していくというのが、私たち人間の基本的な心理です。
ですから、「誘惑に負けた」や「洗脳されていた」というのは、カモられてしまったという事実は消せないことですが、人間心理的には仕方のない部分もあるのかなぁと思います。
商品を売る側はビジネスですから、あの手この手で商品やサービスを売ろうとしてきます。
良い商品もあれば良くない商品もある。この見極めをする力が重要になってきます。
「依存をすると思考停止になる」と先ほど書きましたが、依存をしていたら見極めする力もなにも、「言いなり」なので当然カモられてしまうんですね。
もちろん自分の頭で考えた結果、それが失敗や後悔に繋がることだってあります。ですが、それは「本質を見極める力」がまだ少し未熟なだけで、これから学び、成長していくことで力がついてきます。
収入がストップすると焦り、お金だけに執着してしまう
起業してすぐに取引先やお客さんが見つかる、収益の基盤が出来ているといった「裏付け」があれば良いのですが、サラリーマンを辞めたら定期的に入ってくるお金がなくなります。
いくらかの貯金や翌月分までの給与はあったとしても、「稼がなきゃ」という心理になりますし、2ヶ月、3ヶ月稼げない状態が続けば、「来月どうしよう」「支払いがやばい・・・」といった状況も十分有りえるわけですね。
例えば、カウンセラーやコーチで起業したとします。
単発のセッションで10,000円〜20,000円の収入だったとして、月にお客さんが10人来て100,000円〜200,000円です。
初めのうちは知名度もスキルもまだ低いので、1ヶ月に10人のお客さんに来てもらうのもかなり大変です。
このとき、「とにかくどんなお客さんでも良いから来てほしい」「お金がほしい」と考えがちなのですが、この考えが後々の大きなリスクに繋がってしまいます。
スクリーニング(お客さんの選別)が出来ていないので、行動しないお客さんや意識の低いお客さんばかりを集めてしまうかもしれません。
また、行動もせずに「意味ないじゃないか」とクレームを受けて返金を求められるかもしれません。
返金するか否かは利用規約や契約によりますが、とにかくここにかかるコスト(労力・時間)がものすごく大きいのです。
それこそなんちゃってコンサルタントやなんちゃって自己啓発では、「リスクを恐れるな!」と言うでしょう。
ですが、経営者はリスクヘッジをするのもめちゃくちゃ大事な仕事なんですね。
「リスクを恐れるな!」という言葉そのものは否定しません。これもものすごく大切です。
ですが、それ以前に「取るべきリスクと取る必要のないリスクの見極め」が必要なのです。
今回の場合でいえば、リスクヘッジが出来ていないからスクリーニングもせずに「お金」だけに執着します。お金だけに執着するから、質の低いお客さんを引き寄せて無駄なコストがかかり、体力もやる気も失うという流れです。
スクリーニングに関しては別の記事でもガッツリお話しているので、もしよろしければどうぞ。
無駄なプライドほど自分を苦しめる
21歳の頃に僕は起業をしました。
サラリーマンを辞めて起業したタイプですから、今回お話したことは身を持ってよくわかっていることです。
とはいえ僕の場合は、実家ぐらし&1年間は廃業しないだけの貯金を持って起業したので、「お金」に走ることはありませんでしたが、精神的にはめちゃくちゃ苦しかったです。
僕は今、日常や人生レベルの悩みや生きづらさを克服するコーチングやカウンセリング、そして目標達成におけるコーチングやマインドコンサルをしているのですが、企業さんやフリーランスの方々のコンサルやホームページ制作も行なっています。
「稼がなきゃやばいんです」
というご相談をいただくことがあって、「精神的にも良くないから、一度サラリーマンに戻るか、バイトするかをして、冷静にビジネスを考えられる状態にしないと、スクリーニングもできない、よってマーケティングもブランディングもポジショニングも全部中途半端になりますよ〜」とお答えすることがあります。
こうお伝えして「そうですよね・・・少し焦りすぎていました。」と言葉を受け入れてくださる方もいれば、「バイトは・・・なんとか今すぐに稼ぎたいんです」とおっしゃる方もいます。
ちなみにですが、冷静に言葉を受け入れてくださる確率が高いのは圧倒的に女性です。
男性はプライドもあり、バイトやサラリーマンに一度戻ってみるという決断ができないようですね。
僕は、自分のビジネスがやばくなればいつでもバイトする覚悟はありますし、家庭もあるのでバイトだろうがなんだろうが衣食住は確保しなければいけません(愛犬愛猫もいるよっ)。
ここで「誰でも良いからお客さんを取るぞ!キャンペーンでもやるぞ!」なんてことをしてしまえば、僕もお客さんもきっと不幸になります。
僕の価値観に合わないお客さんは、僕にお金を使っちゃいけないと思いますし、僕も受け取っちゃいけないんです。
僕はこれがサービスを提供している側の責任だと捉えているので、ビジネスをする以上は「関わった人が幸せになる」を一生続けていきます。
まとめ
長くなってしまったので要点をまとめますね。
- 依存して思考停止状態は危険
- 見極める力が大切
- 焦ると「お金」に執着する
この3つです。
とくに「カウンセラー」「コーチ」「コンサル」といった形のないサービスの提供者は「胡散臭い」というイメージを持たれていることが多いです。
それなのに、これらで起業して悪質な営業やサービスを売りつけられてしまったら、業界全体のイメージがどんどん悪くなっていきます。
あなただけのイメージが下がるのはそれは自業自得ですが、業界全体のイメージを下げたらその責任はめちゃくちゃ重いですし、僕は「カモられない人が増えないように」やり口や心の奥底を読み解いて批判すると思います。
そして「サラリーマンを辞めて起業しよう!」と謳うインフルエンサーやコンサルタントは、自分の目先の売上だけを考えずに、起業におけるマインドやお客さんの利益不利益のことも教えてあげてほしいです。
自分のクライアントが悪質なことをしていたり、他人に迷惑をかけてもシランプリは僕はかなり「悪」だと思うので、業界全体のイメージアップのためにも闘っていこうと思います。