こんにちは、HSP&エンパス歴32年目、マインドコンサルタントの関根(@cekineco)です。
境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害/BPD)の人の彼氏や彼女は、様々な苦悩を持っていることと思います。
彼氏(彼女)のことが心配なのはもちろんそうなのですが、その心配が依存になってしまっていることもあり、お互いが幸福感を味わえる恋愛とは少しかけ離れてしまっているかもしれません。
今回のテーマは「恋人との恋愛」と「共依存」についてです。
「境界性パーソナリティ障害のコンテンツ一覧」に他のテーマもありますので、併せてご覧ください。
ちなみに、下記の記事は実際に僕が体験したことです。境界性パーソナリティ障害の特徴等についても詳しく書いていますので、よろしければどうぞ。
では、ここから恋人との恋愛や共依存、そして共依存の対処法についてお話していきます。
境界性パーソナリティ障害とは
まず、境界性パーソナリティ障害についてです。
境界性パーソナリティ障害、または境界性人格障害(BPD/ボーダー)とは、気分の波が激しく感情がとても不安定、物事の良し悪しを両極端に判断したり、強いイライラ感が抑えられないといった症状を持つ精神疾患です。
共依存とは
共依存というのは、お互いがお互いに依存をしている様子のことをいいます。
例えば、「彼氏がいないと生きていけない」「彼女は俺がいないと生きていけないかもしれない」というような思考や感情が「共依存」に当てはまります。
恋愛とは異なりますが、境界性パーソナリティ障害の場合、親(とくに母親)との共依存になっていることも多いです。
この場合は、「母親」と「娘」である可能性が高いです。
参考記事を貼り付けておきますので、併せてご覧ください。
境界性パーソナリティ障害における共依存
この記事では「彼氏が境界性パーソナリティ障害」である場合を例にしていきます。
彼氏(境界性パーソナリティ障害)の思考や感情
いつ見捨てられるのか、どうせいつかは自分は見捨てられる、どうしたら見捨てないでいてくれるのかなど、これらのことを常に考えています。
この不安を少しでも安心させようとしたり、本当の気持ちを確かめるために、彼女に対して「試す」行動をすることもよくあります。
「試す」とは、自傷行為をしたり、大暴れをしたりすることです。また、他の異性と仲良くしている様子を見せつけてくる場合もあります。
これは境界性パーソナリティ障害の人に限らず、人間の「承認欲求」の部分ではありますが、境界性パーソナリティ障害の人の場合は「必要としてほしい」という気持ちが顕著に現れます。
自分のことが彼女に必要と思ってもらいたいからこそ、ここでも自傷行為や暴れるなどの行為をして「必要としているか」を確認しようとする場合もあります。
彼女の思考や感情
彼氏がいつリストカットをしてしまうのか、OD(オーバードース/薬物過剰摂取)をしてしまうか、感情的になって暴れだしてしまうかなどを不安に感じています。
彼氏の気分や気持ちを損なわせないように、とても気を使って接しているかもしれません。
「もうイヤだ」と思って彼氏から少し離れてみようと思っても、自分が原因でリストカットなどの自傷行為をされてしまうのを避けようとしてしまい、結果的には離れる決心がなかなかつきません。
そして、甘えられたり、頼られたりするとき少し嬉しい気持ちになってしまって、それに応えてしまう気持ちもあります。
愛されているのか、それとも自分がただ使われているだけなのかわからなくなることもあります。
「愛している」という言葉を言ってもらっても、それが本心からの言葉としては受け取りにくく、自分(私)を繋ぎ止めておくための口実に感じてしまうこともあるかもしれません。
共依存が危険な理由
共依存は病気の有無に関わらず危険な思考と感情です。
細かく言いますと、共依存そのものが危険というわけではなく、共依存によって起こりうることに危険なことが潜んでいます。
常に一緒にいないと心が落ち着かない
共依存によって、相手と常に一緒にいないと心が落ち着かなくなってしまいます。
LINEの返信が遅いと不安になったり怒ったり、電話にでられないだけで不安になったり怒ったり。「常に一緒にいる」「常に繋がっている」という行為によって心を安定させようとしてしまいます。
別れたら生きていけないと感じる
共依存によって、「別れたら生きていけない」とお互いが感じてしまいます。
仮に片方が思っていたとしても、その気持ちに応えてしまうのも共依存の特徴なのです。
彼氏:『お前がいないと俺生きていけない。死ぬ』
あなた:『そんなこと言わないで。絶対離れないから大丈夫』
このような感じですね。
ここで『そんなこと言わないで。あなたは私がいなくても大丈夫』と言ったら、彼氏はきっと自殺をほのめかす行動をしたり、自傷行為をしてしまいますので、「絶対離れない」などの言葉を言わざるをえないことにもなりかねません。
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共依存の対処法
境界性パーソナリティ障害などの病気がない場合の、通常の恋愛共依存であれば対処法があります。
例えば、お互いがそれぞれ好きなことや夢中になれるものを探し、「自立・自律」を目指していきます。共存は「自立・自律」の思考を根本から取り入れていくことで改善していくことが可能です。
しかし境界性パーソナリティ障害の彼氏(彼女)を持つ場合、なかなかこの「自律・自立」を促すことができません。
なぜなら、境界性パーソナリティ障害の特徴にもある通り、「見捨てられるかもしれない」という不安が常にあるからです。
ですからこの場合は「問題を解決する」という考えではなく、「問題と仲良くしていく」という考えを持つことが大切です。
「問題と仲良くする」というのは、共依存であるからこそのメリット、境界性パーソナリティ障害の相手が自分に依存をしているからこそのメリットを逆に「使う」のです。
まずは「依存の解き方」を徹底的に知ることが必要です。
「依存させる方法」と「依存を解く方法」をセットにすることで、相手を自由自在にコントロールできるようになります(この手法は悪用される場合もあるのでブログ等で公開はしていません)。
その他、「自分も依存をしてしまっている」「自分は依存しないように心がけよう」と意識することもとても大切です。
そして境界性パーソナリティ障害の彼氏(彼女)がなにか夢中になれることを一緒に探してあげるような気持ちで、様々な質問、好きなこと、ついつい夢中になれるものを見つけてあげてください。
通常であればそれらを「別々に」行なうことで「共依存」から解消していくものですが、境界性パーソナリティ障害の彼氏(彼女)を持つ人の場合はその前にいくつものステップをこなさなければいけません。
お付き合いしている以上、そして別れるつもりがないのであれば、やるしかないのです。
別れるか別れないで悩んだら
相手のことも大切なのはわかりますが、自分の気持ちも大切にしていかないと自分自身が病気になってしまうかもしれません。
共依存が理由で別れたくても別れられない人もいるかもしれません。
一度にたくさんのことを考えてしまうと頭がこんがらがってしまいますので、まずは「相手のことが本当に好きか」「境界性パーソナリティ障害の彼氏(彼女)を本当に支えていけるのか」、この2つを本気で考えてみてください。
そして「好きだし、自分が絶対に支える!」と決心したのなら、迷わずあなたがいろんなことを学び続けてください。
決心できないのなら、早いうちに境界性パーソナリティ障害の彼氏(彼女)から離れてあげてください。どんな言い方をしても、どんなタイミングで言っても、結果的には取り乱したり、自傷行為をするはずです。
しかし、それを恐れていてはあなたも成長できませんし、あなたが悪いわけではないのでそこで迷わないように一気に決断しましょう。
境界性パーソナリティ障害の恋人と接している彼氏や彼女が受けられる、境界性パーソナリティ障害専門のカウンセリングを行なっています。
悩んでいる方や接し方やケアの仕方を学びたい方はぜひ頼ってください。
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